日本から見たフランスのここが素晴らしい

日本人から見たフランス

日本から見たフランスのここが素晴らしい

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日本から見たフランスのここが素晴らしい

フランスには、もう長年暮らしていますが、異国情緒な生活を楽しめるのはせいぜい5年まで。

その土地に、根付き始めると日本とは違うマイナス部分も多く見えてきて、日本の良さに改めて気づくことも多くなります。

むしろ、日本の方がずっと素晴らしいと常々感じております。

フランスは、ベルサイユ的なイメージが先行して、現在のリアルフランスとのギャップがかなり大きく、実際に来てみるとそのギャップに失望する日本人も少なくありません。

 

私もその一人ですが、それでも!

「日本人がかなわない、さすがおフランス」と感心する場面も少なからずあります。

それは「愛」。愛の形、愛の深さ、愛の表現、、、、。

日本にも勿論日本的な愛は存在しますが、日本ではあり得ない、と感じるそんなフランス的な愛に纏わるエピソードを日本と比較しながら幾つかご紹介したいと思います。

*勿論日本にも愛はありますが、「フランス的」という点に重点を置き、あくまで個人的な視点から執筆した一般論ですのでご了承下さい。

日本から見たフランスのここが素晴らしい

 

1.フランス人の芸術愛が凄い

パリの町中を歩いてアパルトマンを眺めるだけでも「愛」を感じます。

例えば窓の欄干(バルコニー)。

フランスのバルコニー

フランスのバルコニー

 

窓の欄干は安全重視から設置するもので、日本ならシンプルにこうします。

フランスのバルコニー

 

しかしおフランスは、わざわざ余計な手間をかけて美しく装飾しています。その方が「美しいから」→「住人も通行人も喜ばせるから」。おまけにフランスの欄干はアパルトマン毎にデザインが異なります。いったいどれだけデザインカタログがあるのかと思うほど多種多様です。

フランスのバルコニー

フランスのバルコニー

 

それは玄関や建物の細部も同様です。

玄関入り口にそこまで手をかける!?って言うほどこだわり抜いた彫刻が施されています。

こんなささいな部分にさえ、極め細やかな愛を感じてしまうのです。

フランスの玄関 フランスの玄関

 

勿論日本の門も独自の芸術的なこだわりがあります。

 

フランスの玄関

 

しかし芸術的な門の多くはお寺など公共の建物であり、私邸におけるその数、手の込み具合、繊細さ、感性はフランスとは一線を画します。

単に、歴史や文化の違い、と言ってしまえばそれまでですが、どこまでこだわり抜くかという芸術への執着もまた「愛」に根差しているのです。

それは音楽を聴けば一耳瞭然(?)です。

西洋の宗教曲を聴いて心静かに慰められ瞑想気分に浸れますが、仏教には音楽はなく念仏を聴いても感性に響きません。

神道に纏わる雅楽でさえ、チャルメラ音的な雑音に感じることがあります。

 

2.フランス人の植物愛が凄い

ブランスの町中と言えば、都会でも田舎でも必ず美しい花が町のあちこちに飾られています。

 

 

フランスの植物愛

 

プライベート空間でも、アパルトマンのベランダや店先に花を飾って道行く人の目を楽しませてくれます。

フランスの植物愛

 

日本でもマンションのベランダでプランターや庭でガーデニングを楽しむ人も多々います。

しかし多くは「自分のため」の趣味であって、通行人を喜ばせるということに注意を払っている人は少ないのではないでしょうか。

もちろん、日本でも観光都市などでは、そうした観光客を喜ばせる花装飾をよく見かけますが、普段の日常生活の場ではフランスの方がより多い気がします。

フランスの植物愛

 

通行人の目を楽しませると言えば、クリスマスの自宅の庭をイリュミネーションで装飾というのも、フランスではよく見かける光景です。

自分のため、というより他人の目を楽しませたい、という目的で飾り付ける人がほとんどです。

フランスの植物愛

 

一方、日本で正月に飾る門松などは、「伝統としきたり」を重んじているのであって、通行人の目を楽しませる目的ではありません。

日本の玄関

 

3.フランス人の動物愛が凄い

 

動物愛の深さにいたっては、フランスに来て感心することが多々あります。

例えば飼い犬において日本との一番の違いは、「外で飼われている犬」は見たことがない、ということです。

日本で一軒家の庭の片隅で「犬小屋」につながれている犬を見ると、夫は「フランスではあり得ない」と衝撃を受けます。

寒い日は、暑い日はどうするのでしょう、、、、。動物だから構わないのでしょうか。

 

フランス人の動物愛が凄い

 

フランス人夫の実家では犬を飼っていますが、当然家族の一員なので「ELLE(彼女)」と人称を用いなければなりません。

広大な庭は彼女の庭でもありますし、庭の一角には彼女専用の敷地付き別荘もあります。

もちろん、屋内で飼っていますので、屋内には専用の寝室(かごのベッド)の他、リビングのソファ、暖炉脇の臨時ベッドなど3か所が彼女の居場所になっています。

 

ある日彼女がよく座る居間のソファーの上に間違って腰掛けてしまいました。

「あ、ここ犬が座って汚かったわ!」と急いで立ち上がると、夫が「汚いだなんて、僕の妹になんてこと言うの?」ですと。

犬だから臭いでしょ、やっぱり、、、と日本的感覚の私ですが、フランス人には「妹」の匂いなど全く気にならないようです。

 

フランス人の動物愛が凄い

 

むかし暮らした英国でも「貴族は犬の匂いがする」と言われていましたが、つまり、犬の匂いがする人は犬を飼ってる人で、愛情豊かな人の証ってことらしい。

確かに、フランス人の「愛」の質を実感するのは、犬が幸せそうなのを見る時かもしれません。

一度はパリを訪れたことのある人なら目にしたことがあるでしょう、戸外でなんとも自由に幸せそうに走りまわる犬達を。

フランス人の動物愛が凄い

 

庭のないアパートに住んでるパリジャン達も当然室内で犬を飼っていますし、犬お断りのアパートなどまずないと言っていいでしょう。

リードなしで散歩する犬もよく見かけますし、犬のトイレも街の至る所に備わっています。

もっとも、犬のフンの後片付けをしない飼い主の方が多く、犬のフン害は鳩のフンと並びパリの名物となっていますが、、、。

フランス人の動物愛が凄い

 

フランス人にとって、犬を鎖に繋いで戸外に放っておくなんて犬権無視の動物虐待となるわけです。

日本は畳間なので、家で飼えないから外で飼うしかないと言えば、だったら飼うなとくるでしょうね。

犬は人間といるのが幸せなのだと。ごもっとも。

韓国の犬料理なんて絶対食べれないそうです。

 

以前、フランスのTV番組で日本の極端なペットブームが紹介されましたが、犬専用レストランでケーキを食べ、ブランドの洋服着せられた犬を見て夫が一言、

「犬、幸せなの?」

確かに幸せそうなのは、犬よりむしろ飼い主のように見えたかも。

フランス人にとって犬は飼い主のおもちゃではなく、ちゃんとした「犬格」をもつ主体的な生き物として扱われているようです。

フランス人の動物愛が凄い

 

4.フランス人の家族愛が凄い

日本とは違うな、と実感するのが「家族愛」の強さです。

フランスでは日本のように、大人になると田舎を離れて都会に出て来たいと思う若者はかなり少ないのですが、その理由はただ一つ、家族や友人と離れたくないから。

しかし、失業率の上昇する昨今、田舎で職探しも大変になってきて、やむなく田舎を去るという若者も少なくありません。

しかし、都会に出てきても、日本人には考えられないほど頻繁に田舎に帰省しています。

フランス人の家族愛が凄い

 

フランス人の我が夫も例外ではありません。

仕事のためにやむなくパリに出てきた彼は、私と知り合う前は200km離れた実家に毎週末帰っていたそうです。

今でも3ヶ月に1回は(私を連れて)帰省しており、日本のように、年に1回も田舎の実家に帰るか帰らないかみたいな、ドライな親子関係は信じられないそうです。

これは我が家だけでなく、フランス人家族の一般常識です。

 

一般常識と言えば、フランス人は大人になっても頻繁に家族と電話で話します。

毎日電話する人も知っていますし、夫は週に1度は必ず家族に電話をかけ、家族からも週1ペースで電話がかかってきます。

それぞれの誕生日や父の日、母の日などは必ずお祝い電話は欠かしません。

毎年、私の誕生日にさえ、義父母や彼の親戚から「おめでとう電話」がかかってくるのには感激します。

家族と離れていても、電話で話すことが日常的なので、日本で繁盛している「オレオレ詐欺」など、フランスではまずあり得ないでしょうね。

フランス人の家族愛が凄い

 

そんな濃密な家族関係ですからフランス人の思春期、いえ一生、反抗期など存在しないのです。

夫に尋ねると「反抗期?何それ、日本にはあるの?」と耳にしたこともない様子。

もちろん家族の悪口も言わないし、家族を卑下することもありません。

例えば、「うちの子はかわいいわよ」「うちの子は頭良くて成績もいいの。」と自慢することはあっても、決して「うちの子はできが悪くて」と謙遜など絶対しません。

日本の場合は「自分や身内を下げることで相手を立てる」といった自虐的謙譲精神が働きますが、フランスでは自分の家族の悪口を言うことは、恥でもあり罪でもあり社会的信用にも関わるようです。

家族を自慢するなんて日本人には「シレッ」ときそうですが、「身内を褒める」のはフランスでは常識なのです。

フランス人の家族愛が凄い

 

 

5.フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

人として土台となる家族愛がこれほど深淵なのですから、恋愛におけるエネルギー、細やかさ、感性とその深さは言うまでもありません。

そこはラテン男の独断場となります。

家族や犬にまでも、これだけ愛情注ぐ我が夫は当然妻にもめちゃめちゃ優しいのです。

妻へ「有難う」の言葉は日常的に出てきますし、妻に命令口調はあり得ず「~してくれない?」と依頼口調が一般。

長い結婚生活を経ても今なお、目覚めはおでこへのキスに始まり、出勤前にハグ&キス、仕事から直帰後もハグ&キス、就寝前にキスと、1日のうちに何度愛情のスキンシップを見せることでしょう。

日本では伝統的にスキンシップの習慣が希薄ですが、子供の前でも子供に対しても、もっとスキンシップをとってもいいのではと感じることがよくあります。

 

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

ちょっとのろけになりますが、ある日何の変哲もない普通の黒のワンピースを着ていると、仕事から帰宅した夫が私を見て一言。

「ウワッ、なんてセクシーなんだ!今日は職場の男性達が、みんな君のこと見とれたんじゃない?」

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

首がかゆくなりそうな褒め言葉ですが、私がその話を職場の日本人男性の同僚に話したら、その同僚は翌日から私を見るなり、同じセリフを言って誉めてくれるようになりました。

冗談とわかっていても、悪い気はしないのが女心というものです。

男性が女性に一言誉める言葉をかけるだけでウケは全然違ってくること請け合い。

ただ、その言葉は是非奥さんや恋人に一番言って欲しいのに、日本人はその点が下手なように感じます。

愛情は 見せて伝えてなんぼなのに、、、、。

日本的な以心伝心もいいけれど、毎日愛を伝える言葉やしぐさを交わす、身内だからこそ感謝の言葉を伝える、それだけで人生の楽しみがさらに増すのに、日本人は損している気がします。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

一方、フランス人の弱点を言えば、こうした直接愛に馴染んでいるため、ちょっとした時間的・物理的距離に弱いという点があげられます。

長期出張中に相方が浮気しやすいのもラテン愛ならでは。(世界共通だったりして、、、、)

過去に兵士が出征中に、妻が別の男の子供を孕ましたというのも、こちらではよく聞く話。

日本の遠距離恋愛や単身赴任なんて、フランスでは絶対あり得ない、不可能な事案です。

浮気の正当な理由になるだけですから。

日本の某所から私にヘッドハンティングの話が舞い込んだ時、「条件もいいから、日本で出稼ぎして来ようか。」と冗談で言ったら、泣いてましたもんね。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

日本でよく見かける、夫婦の寝室に子供が一緒に寝るというのはフランスではあり得ない光景。

夫婦は2人きりの時空というのが常識で、子供でさえ夫婦の邪魔をしてはいけないのです。

フランスでは夫婦は、もちろん同じベッドで一緒に寝ますし、たとえ夫のいびきがうるさくても、妻の寝相が悪くても寝室を別にするというのは聞いたことがありません。

ある時期、私の仕事がかなり忙しく疲れていて、リラックスして就寝するために、私から申し出て数日間寝室を別にしたことがありますが、後で夫が「僕のこと嫌いなの?」って、マジで泣いてました。

 

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

フランスの夫婦・カップルは愛情が無くなったら「関係は終わり→別れ」が暗黙のルールになっているので、離婚が多いのもそのルールによるものなのです。

フランスでは、結婚しないで同棲やパックスと呼ばれるパートナーシップが人気で、昨今ではこうした未婚カップルの出生率が婚姻夫婦のそれを上回ったりしていますが、それもフランス人が愛情に秤を置くため「(愛情が無くなった時)別れやすいように」、との配慮からなのです。

日本のように愛情がなくなったのに「子供のため」「妻の生活安定のため」といった理由で、愛のない結婚生活を存続したりはしません。

それは人として「無粋なこと」なのです。

粋な妻は愛の無くなった夫をさっさと切捨て、夫の浮気相手にくれてやり夫を解放するのです。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

勿論、離婚や愛人がいることなどで社会的制裁を受けたりしません。

前々大統領のサルコジーは3度結婚

(2度目の奥様は、彼女が別の男性と最初の結婚式を市役所で挙げた時、市長として式を執り行ったサルコジーが、新婦に一目ぼれして略奪愛、3度目は元モデルと再々婚)。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

前大統領のオランドは、長年連れ添い4人の子供まで設けた元カノで、政治家のロワイヤル女史と大統領当選直後に別れ、愛人だった秘書と結ばれたが、後に別の女優と浮名を流し秘書とは破局。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

元大統領のシラクは、日本に数十年来の愛人がいてプライベートで50回以上来日している、というのは公然の秘密。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

などなど大統領のゴシップ事案はてんこ盛りです。

大統領として業務をしっかり遂行してくれさえいれば、フランス国民にとって大統領のプライベートな離婚歴や愛人歴は関係ないのです。

 

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

歴史的に名大統領と言われたミッテランも、数々の女優たちと浮名を流し、ある女性との隠し子が発覚した際も、マスコミから隠し子発覚について聞かれると「Et Alors/エ・アロー/それがどーした」と返したことで有名です。

この名文句は、日本のドラマのタイトルにもなりましたね。

フランスでは、そんなことで大統領が辞任したりはしないのです。

さらに驚きなのは、この件で国民にインタビューしたところ誰もが口をそろえて、「それがどーしたの?人を愛することのどこが悪いの?」

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

日本で昔愛人騒動で辞任に追い込まれた首相なんていましたが、フランスで考えられないことです。

そう、愛の国おフランスでは人を愛することは何も悪くないのです。

そのミッテランが死去し、ダニエル夫人が参列した国葬がフランスで執り行われましたが、「粋な」ダニエル夫人は、その愛人と隠し子を国葬に参列させ、夫人の隣に同席させたのです。

同じ愛を同じ夫に注いだ女性として、、、、。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

まるで世界仰天ニュースになりそうな歴代フランス大統領の下半身事情ですが、唯一離婚歴も愛人もいない真っ白な大統領が現在のマクロン大統領。

もっとも、こちらの結婚歴も「仰天もの」ですが、、、。

彼の奥様は彼が17歳の高校生の時恋に落ちた、26歳年上で既婚の同校のフランス語教師。

一度は両親に関係を遠ざけられるも不倫関係は続き、女教師は元夫と離婚して連れ子を3人携えてマクロンと再婚。

マクロンは、銀行家を経て後に財務大臣となり、歴代最年少の39歳という若さで大統領まで上り詰めた人物。

恋愛も仕事も歴史的な大統領なのです。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

ファーストレディとなったブリジット夫人は「今大統領になってくれたよかった。私が70過ぎたらファーストレディとして公の場に出られる外見を保つのが難しいから・・・・」

65歳を過ぎてなお、ファーストレディとしての若々しい外見を保っているところなど、まさにフランス女の意地を見せつけてくれます。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

6.フランス人の同性愛が凄い

周知のことと思いますが、フランスでは2013年から同性愛者同士の結婚が法的に可能になりました。

これまでに多くの同性愛者が結婚し、私の周りにも同性愛者をカミングアウトしている人も少なからずいますし、少し前にフランスの某市庁舎前で同性カップルのド派手な結婚式に遭遇したりもしました。

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

フランス人の夫婦愛・恋愛がすごい

 

ある日の地下鉄で、実際に見たホモのナンパがとてもフランスらしく印象に残っています。

電車の中で向かい合う形で座っていた他人同士の男2人。

ホモの男Aが向かいの男Bに一目惚れしたらしく、Bが下車する際Aも立ち上がってBに歩み寄り、

「君とカフェでもしたいんだけど時間ある?」

おっ、ホモのナンパだ、と興味津々で見ていると、言い寄られた男Bは「ごめんね、僕へテロ(男女愛)なんだ。君にチャンスがあることを願ってるよ。」と優しい笑顔を残しスマートに去って行きました。

 

フランス人の同性愛が凄い

 

まさに究極のエレガンス。

愛の国おフランスならではでしょうね。

日本だったら「気持ち悪い」「オカマにナンパされちったよ」とネットやLINEで拡散されるのがオチでしょう。

フランス人の同性愛が凄い

 

7.フランス人の人類愛が凄い

最後に、崇高な人類愛に関するエピソードをご紹介します。

私がまだ留学生だった頃に、経験した今でも忘れられない思い出があります。

パリに隣接する高級住宅地ヌイイの路上での出来事。

タクシーで、ヌイイの知人を訪ねタクシー代を小切手で支払う際、日にちを書き間違えたのでボールペンで数字の上から修正したら、運転手が新しい小切手に書き直せと要求してきました。

修正した小切手で問題はないので、その小切手を再度渡して車を降りると、書き直せと力づくで迫ってきたのです。

口論になり、私の傘は路上に投げ飛ばされ柄の部分が壊れてしまいました。

ついに取っ組み合いに近いけんかとなり、そばで傍観していた20代の男に「警察呼んで」と言ったのですが、肩をすくめて「僕は無関係」ポーズで聞く耳持たず。

フランス人の人類愛が凄い

 

そこに通りかかった、ノブリスオブリージュ(高貴なる者に伴う義務)の香り漂う中年紳士が仲裁に入ってきて、「これこれやめなさい。いったいどうしたの?一人づつ話してごらんなさい。」と私達をなだめようとしました。

私が理由を説明すると、「すると貴女は新しく小切手を切りたくないと言うんだね。」

次にタクシー運転手に向って、「そしてムッシューは書き直した新しい小切手が欲しいというんだね。フムフム、わかりました。で、いくらなんです?そのタクシー代は?」

35フラン(当時700円程度)と告げると、彼のロングコートの内ポケットから財布を取り出し、タクシー運転手に現金35フランを、私にはタクシー運転手が受取らなかった小切手を戻し、「はい、これでムッシューもマドモワゼルも何も損しなかったことになりますね。」彼は私のためにタクシー代を払ってくれたのです。

フランス人の人類愛が凄い

 

タクシー運転手が去った後、恥ずかしさに涙が出そうな私は、お金を返そうとその紳士に35フランの小切手を差し出しましたが、彼は「ノンノンいいのですよ。これであなたもハッピーになれますね。」と、私の肩を叩き、笑顔で去って行きました。

何というエレガンス!

こんなスマートな紳士がいるのもさずがおフランスならでは。

フランス文明の底力を見る思いのする、忘れられない思い出なのです。

フランス人の人類愛が凄い

 

以上、「日本から見たフランスのここが素晴らしい」如何でしたか?

今回はフランス的な「愛」に重点を置いてご紹介しましたが、これも長いフランス生活で沢山あるエピソードのほんの一部にすぎません。

もちろん、他にもフランスのいいところは沢山ありますが、またテーマを決めて別途ご紹介したいと思います。

「愛」を口にするのも恥ずかしい日本人も、フランス人のように言葉に態度に行動に表してみてはいかがでしょう。

「愛」が舞い込んできますよ。

フランス人の人類愛が凄い

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